白い糸

創作物。詩、SS、nanaで作った声劇台本など。「禄田さつ」以外の場合もあります。

駅のホーム

さっき、手を繋いだ。
さっき、少しだけ君の顔を見た。
さっき、少しだけ君の瞳がうるんだ気がした。

次第に曖昧になっていく。
君との関係が終わるまであと何年、何ヶ月、何日なのだろうか。
肌寒くなっていく。暑い夏をようやく乗り越えて、人肌恋しい季節になってきた。
騒がしい駅のホームの4番線で、一気に寂しさがこぼれ出す。

自販機でミルクココアを買って戻る君に
少しだけ目をあわせて、手を握ってみる。
「ねえ、クリスマス一緒にいられる二人っていいよなぁ」
君も「そうだね。わたしも羨ましいわあ。来年にまた期待しよう」
セミロングの髪が風に揺れる。

電車の発車時刻まであと10分。

期待をやめたいぼくと、明日を生きる君との会話は
言葉の上ではかみ合っているが、気持ちでは、かみ合ってないんだろうなって。
君のことが好きな未来を素直に見ることができない、今がもどかしい。