白い糸

創作物。詩、SS、nanaで作った声劇台本など。「禄田さつ」以外の場合もあります。

【コミティアに参戦します】匪

コミティア122にて漫画を頒布します。

 

サークル名、匣mania(ボックスマニア)

頁数、本編13ページ程度

サイズ、A5

価格、100円

 

少年少女のぼんやりとした日常の話です

通販も始めますので良かったら。

 

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破棄され、ーわたなべちひろ

ツイノベル2つまとめました。

 

 

このタイトルを決めるとしたら、なんだろう。「あ」くらいがちょうどいいのかもしれない。そう、特に思い入れもなく付けるような意味の無い内容。手が震え馬鹿らしいと理由付け包丁を投げる。誰にも知られない惨めな復讐未遂だ。

 

死ねという言葉に特に意味はなかった。誰に向けてでもない、この言葉は。もう解散されてしまった手の平も、去っていった人々も、そこにいる意味は無いのだ。「この垢消そうかなあ」潮時やってやつなのかもしれない。寂しさと虚しさで死ねがまた一つ零れた。

キセ と ハルカーわたなべちひろ

「スドウハルカの私を殺したら僕が生まれるかな」

ハルカはくしゃりといら立ちをぶつけるように髪を掴んだ。無造作に伸びた髪がハルカ自身の抵抗を思わせていた。

「生まれっこないんじゃないの、スドウハルカは一人しかいないでしょ。良くも悪くも」

「でも、言ってたよ」

若干、涙が混じっている。

「人間誰しも女や男の部分があって、そのバランスによって性が決まるんだって。私の部分を押し殺せばいいんじゃないの、違うの」

「…その私の部分を殺してもいいと思えるような素敵な女性と恋愛したら変わるんじゃない」

つらつらと出てしまった言葉に後悔する。ハルカの目はぐらぐらと涙ぐんでいた。

「バカ、そんなのできてたら今頃してるから、こんなこと信用してなきゃ言わないから、なんて無神経なの、キセって」

ついに泣き出してしまったハルカを見ていても俺はなんとなく冷静だった。

「ごめん、俺当事者じゃないからわからないし、自分の気持ちもわからない、本当ごめん」

「…私も悪かったよね。ごめん」

泣いたままのハルカの白くて細い腕を掴み、引き寄せ頭をぽんぽんと叩いた。今の俺にはこんな選択しかできない、責任すらまともに持つことができないのだ。

駅のホーム

さっき、手を繋いだ。
さっき、少しだけ君の顔を見た。
さっき、少しだけ君の瞳がうるんだ気がした。

次第に曖昧になっていく。
君との関係が終わるまであと何年、何ヶ月、何日なのだろうか。
肌寒くなっていく。暑い夏をようやく乗り越えて、人肌恋しい季節になってきた。
騒がしい駅のホームの4番線で、一気に寂しさがこぼれ出す。

自販機でミルクココアを買って戻る君に
少しだけ目をあわせて、手を握ってみる。
「ねえ、クリスマス一緒にいられる二人っていいよなぁ」
君も「そうだね。わたしも羨ましいわあ。来年にまた期待しよう」
セミロングの髪が風に揺れる。

電車の発車時刻まであと10分。

期待をやめたいぼくと、明日を生きる君との会話は
言葉の上ではかみ合っているが、気持ちでは、かみ合ってないんだろうなって。
君のことが好きな未来を素直に見ることができない、今がもどかしい。

夕暮れ

ぼくはしんだ。
きみもしんでしまった。
あの日から終わってしまった二人の関係では
お互いを描いて尊重して、笑いあって、幸せを願う事なんてできない。
失敗してしまったのだ。

ぼくときみとの関係。
よく言うじゃ無いか。終わりよければすべてよしって。
どんなに綺麗な思い出があっても、終わりが悪ければ
ずっと脳裏に残ってしまうのだ。

もう、夕方だった。

一緒に歩いて行った坂道も
中々に綺麗で痛い思い出になっていた。
さっさと、君からも学校からも卒業してやりたい。
今日も、天気予報に負けた傘を振り回して歩く。
夕暮れが綺麗だった。

片想い

「恋人みたいじゃんじゃんね」
そうだなぁと適当に指を動かして草を生やしておく。
携帯のみで繋がっているこの関係は
なんとも言えずきりきりと胸をすり減らしていく気がした。

俺は君のことが好きだけれど、というところだ
言わなくても分かるだろう。この救いようのない気持ち。

この感情は好意から生まれるべき存在なんだ、と言い聞かせる。

「また話そうぞ」
少し低めの声が脳裏にこびりついていた。
気軽に話せる仲。何でも話せる仲。
ゲームも楽しめるし、歌のことについても語れる。

気づけば肌寒くなっていた。

遠距離の関係ってこんな感覚なのだろうか。
女々しくなって
恋愛対象外だから安心していられる安堵感に甘えて
枕に顔をうずめるのだ。

もし、もしだ。
この曖昧な気持ちが答えになって
気持ちが口から漏れてしまったら、
もっと胸が痛くなるんじゃ無いか

そして
電波から現実の存在になってしまったら、
もう戻れない感情になるんじゃないかと
考えてしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

nana声劇用に作った台本です。

だいすきな声の方に読んで頂きました。いい思い出です。

嘔吐

君のことが好きだった。
君のことが好きだった。

泣きながら僕は吐いていた
暗闇に不自然についた白い光に
不自然な行為に泣きながら。

「うえっ…うっ…」

咳き込む。
白く浮き出た手首の数年前の切り傷と
もっと前に君に言われたことばが。

「自分を傷つけるのは殺人と同じだから」

多分、もっと君が大人だったら
多分、もっと僕が大人だったら
違ったかもしれない。
でも君も。
悲しそうに、
僕の腕を握ってくれたのは…

君も僕も大人になっていって
まだ僕は君が好きなんだ。
まだ君が好きなんだ。

「手を握ってよう…」

一人のトイレで、僕は泣いた。


 

 

 

 

nana声劇用に作ったものです。